文学部フォーラム実施報告
2009.12.05
平成21年12月5日(土)に、熊本大学法文棟A1講義室において、文学部設立30周年・文学部附属永青文庫研究センター設立記念として「日本の近世がわかる-永青文庫から新しい研究の風を-」と題して、文学部フォーラムを開催しました。
大熊薫文学部長から、「永青文庫研究センターの設置を契機として、世界的にも価値のある永青文庫史資料の研究を推進し、その研究成果を社会に発信してほしい」との挨拶がありました。
本フォーラムは、文学部教員の吉村豊雄・三澤純・稲葉継陽の編で今年3月に出版された『熊本藩の地域社会と行政―近代社会形成の起点―』(思文閣出版)にまとめられた、永青文庫史料による新しい「藩政史研究」の成果を分かりやすい形で市民に提供するとともに、それを現在の近世史研究の全体的動向の中に位置づけ、今後の研究発展の可能性を示すことを目的としました。
三澤純准教授から、「『熊本藩の地域社会と行政』がめざしたもの」と題しての講演の後、東北大学平川新教授から、「熊本藩研究から見えてくる江戸時代の日本」、九州大学高野信治教授から「近世の領主制と行政をめぐって」と題して『熊本藩の地域社会と行政―近代社会形成の起点―』についての意見、評価が行われ、約120名の参加者は熱心に聴き入っていました。
その後、永青文庫研究センター副センター長稲葉継陽教授の司会による総合討論では、一般参加者からの質問もあり、予定の時間を超過するほどの活発な意見交換がありました。
文学部及び永青文庫研究センターは、永青文庫史資料の学術的・文化的価値を広く市民に発信していく予定であり、今後の研究発展の可能性について、期待を肌で感じるフォーラムとなりました。