趣旨・目的

 熊本大学は「国際的な研究拠点を志向する地域起点型大学」として、地域社会や国際社会と緊密につながりつつ、高度なレベルで教育・研究・社会貢献に取り組むことを目的に掲げている。こうした取組を人文社会科学分野から発展させるためには、数ある大名家資料群のうちでも質量ともに最高レベルにある「熊本大学寄託永青文庫資料」をはじめとする熊本藩関係資料を対象とした永青文庫研究を、本学ならではの特色ある研究・社会貢献重点領域と位置付け、事業を一層推進していくことが有効である。

 平成21年に設置された文学部附属永青文庫研究センターにおける研究事業、社会貢献事業の成果を踏まえつつ、本センターを学内共同教育研究施設に改組して事業展開の一層の拡充をはかる。

 永青文庫資料等の総合的な研究を通じて当該資料群に立脚した拠点的研究を組織し、かつ文化行政機関等との連携によって地域文化振興に貢献し、もって人文社会科学分野を中心とした研究及び文化振興の発展に寄与する人材の育成に資することを目的として、本センターを設置することとする。

<概要図>
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【研究活動】
センターでは、研究プロジェクト3分野(近世初期藩政史研究、近世中期法制史研究、幕末維新期社会史研究)により研究を進め、以下の活動を推進する。
  1. 資料集の出版活動(第2期「永青文庫叢書」など
  2. 永青文庫藩政史料や松井家文書等を活用した近世社会研究の拠点組織化
  3. 中国・安徽大学(国家教育部人文社会科学重点研究基地)等との大学間交流協定に基づく研究の国際化
  4. 永青文庫資料の細目録作成、松井家文書の目録作成を推進
【教育活動】
  1. 上記の目録作成事業等に学生・大学院生を参加させることによって、歴史資料学の専門性と実践力を身に付けた人材を養成
  2. 教養教育「肥後熊本学」等への研究成果の反映による教育内容の充実と更新
【地域・社会貢献】
  1. 熊本県立美術館、くまもと文学・歴史館、八代市立博物館、肥後の里山ギャラリー等と連携した展覧会、セミナー等による研究成果の社会還元
  2. 被災文化財の復旧事業への史料情報提供を通じた協力
  3. 熊本大学附属図書館と連携した貴重資料展、セミナー等による研究成果の社会還元
  4. 各種講演会・シンポジウムの開催による研究成果の社会還元
  5. マスコミを活用した研究成果の普及

中期計画等との関連

【第三期中期目標期間における熊本大学のビジョン:戦略③】
  1. 熊本大学の"特色"を活かした「くまもと」の4つの豊かさ(経済的豊かさ、環境的豊かさ、文化的豊かさ、知的豊かさ)への貢献:
    《文化的豊かさへの貢献》④熊本の歴史文化振興の核となる熊本大学永青文庫研究センターを設置し、我が国の中世以降の歴史資料研究の共同利用・共同研究を推進するとともに、その成果の地域還元により、文化振興及び観光資源としての活用を推進
    【計画番号36】
  2. 貴重な歴史資料を有する文学部附属永青文庫研究センターを中核的な社会連携・社会貢献拠点とするために、平成29年度に学内共同教育研究施設とし、本学の拠点形成研究「永青文庫細川家資料の総合的解析による歴史社会・文化研究拠点の形成」を社会連携、社会貢献の重点領域に位置付け、地方創生を促進する活動を展開していく。
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