専門分野・研究分野
日本近世史・法制史、博物館史
研究内容
江戸幕府および長崎奉行所の司法制度について研究している。長崎奉行所判例集「犯科帳」を通じて、長崎奉行の司法概念や長崎における犯罪性、さらに、公事方御定書の伝播過程も分析している。また、幕府禁教政策の地域展開の実態を、長崎奉行所と九州諸藩との関係性を含めながら検証している。中央と地方を意識した調査研究をおこなっている。
なお、大学博物館の役割や機能、そして、地域博物館との関係性について調査している。日本ばかりでなく、中国や韓国の大学博物館も実踏し、関係者からヒアリングしたうえで精査し、日本の大学博物館との比較検討をおこなっている。実践的な博物館学とは何かを追及している。
主要な業績等
著書 |
- 『近世長崎司法制度の研究』(思文閣出版、2010年)
- 『新釈犯科帳』全3巻(長崎文献社、2011年~2012年)
- 『歴史のなかのミュージアム-驚異の部屋から大学博物館まで』(昭和堂、2014年)
- (高倉洋彰と共著)『日中韓博物館事情-地域博物館と大学博物館』(雄山閣、2014年)
など
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論文 |
- 「長崎奉行職権の一考察-「江戸伺」システムにみる司法権」(『地方史研究』314号、2005年)
- 「近世における先例慣習法下の量刑相場-『犯科帳』の分析を中心に」(『日本歴史』698号、2006年)
- 「幕府評定所と長崎奉行の司法的概念-「正当防衛」と「無礼討ち」にみる法的保護」(『日本歴史』710号、2007年)
- 「長崎奉行所司法資料に関する一考察-『犯科帳』の史料学的分析を中心に」(『法律時報』991号、2008年)
- 「江戸幕府裁判制度に関する一考察」(鈴木秀光・高谷知佳・林真貴子・屋敷二郎編『法の流通』慈学社、2009年)
- 「非常勤学芸員に関する諸問題」(『博物館研究』Vol44.No11、2009年)
- 「指定管理者制度と学芸員」(辻秀人編『博物館危機の時代』雄山閣、2012年)
- 「ユニーク大学博物館」・「福岡のキリスト教史」・「福岡藩校修猷館」・「福岡のSA・PA事情」(高倉洋彰・宮崎克則編『大学的福岡・博多ガイド』昭和堂、2012年)
- 「『犯科帳』-長崎奉行の法概念」(若木太一編『長崎・東西文化交渉史の舞台』下巻、勉誠出版、2013年)
- 「浦上村キリシタン改心者墓石の意義-萩・津和野を事例に」(高倉洋彰編『東アジア古文化論攷』中国書店、2014年)
など
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社会的貢献・活動等
大田区立勝海舟記念館資料調査委員会委員長、八代市立博物館未来の森ミュージアム協議会委員、天草市立キリシタン資料館運営委員会委員長、南島原市有馬キリシタン遺産記念館資料収集検討委員会委員、熊本市公文書館等管理委員会委員、上天草市文化財資料評価委員会委員長
主要な所属学会
歴史学研究会、日本歴史学会、法制史学会、中央史学会